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2016年3月11日金曜日

別居が決まってもパパとママ


子供の前でいきなり夫が離婚をぶちまけ、「離婚の上、家事従事者としてなら俺の買う家に子供が大学卒業するまでなら居候していいよ、ただし家のローンも払ってね」という、びっくり仰天の条件を丁重にお断りして一週間。

大学に入る子供は、とても愛されてきたので状況が飲み込めない。幸い地域や高校に多数頼れる大人の方がいて、みなさんにサポートされていて、本当にみなさんを拝みたい気分だ。

私には何人か離婚後再婚しておしあわせになった友達がいらっしゃり、ネット越しに、または直接会って励ましてくれる。

こういう時に同性しか頼りにならないなあ、と心から思う。

今の住処は私の親の持ち家なので、夫に出て行ってもらい子供の下宿先としての別居をすることで話がまとまった。

一方、日にちが経ち、子供の落ち込みは加速している。

父親のノイローゼを知っていたけれど、父親が母親には家も買えない程度しか愛していなかったこと。
悪気もなく、屈辱的な提案を私にしたこと。
自分の前で仲良くしていた姿は、(私は夫を愛しているので離婚を受け入れるのだが、夫の場合は違う)世間の夫婦より純度が低かったこと。

私も子供も、夫が私たちを嫌いだとは思わない。
都合良く、彼の器の範囲で愛しているのだと思う。

それを精神的に健康な人間ならば責めてしまいたくなる。しかし、彼はノイローゼを愛し(病気でいる苦しみの方が生きるよりはるかに楽なのだろうと私には思えてならない。語弊がある表現だと知ってはいるが、子供や私、私の親類に与える傷をおもえば、そう感じてしまうのも許してほしい)治療を拒み、私との20年以上の縁を切って出て行くつもりなのである。

彼が病気になる前ならば、一緒に連れ添えたと思う。しかし、本人は長年の病状の中で解離を起こしたり、目が合わせられなかったり、不安症が強すぎたりする事実を正常だと思っているので、突然生き方が変わってしまったと認識しているのだ。私から見たら、夫婦して闘病の結果やむなしとなるわけだ。

本当に、精神的な病はプロの手を借りてほしい。

いたずらに長引いてしまって、壊されてしまった我が家の軌跡をこうやって晒すのは、みなさんに同じ轍を踏んでほしくないからである。

私は以前、夫と、夫のメンタルに振り回されて子供も心のバランスを崩した時期に精神科に相談に幾度か行っている。そこで言われることはいつも同じだった。「あなたが強すぎる、あなたが完璧すぎる。旦那さんは劣等感を感じている可能性があります」

強いサイドはいつも抱え込まなくてはならない。強いからといって、感情がないわけではない。

今回、もっと穏便に離婚への準備をなすことだってできたはずなのに、ぶちまけてしまった夫を見て、私より夫の精神面を優先するべきだと思った。

彼にとって8年間は何だったのだろう?私にとっては別人になった彼を理解して守り、愛そうとする日々だった。

これからは、別居して落ち着いてもらい、子供が大学を卒業したら離婚するまで、彼の望む適度な距離で彼と私の間を行き来する子供を守ろうと思う。


しかし、別居前から夫の子供へのサポートが甘く、自分のことばかりで、子供の暗い顔にも気がつかない。

私まで切り捨て、次は子供の信頼まで失うつもりだろうか?

長い月日の中で父親不在の生活を送ってきた。母親が父親の代わりをすること、それは子供への混乱をきたす。それでも私はやるしかなかった。

これからは夫が母親の代わりも担わなければならない日々が増える。

親権は私が持つので、とにかく不自由なく育ってきた子供が不安定な日々の中で怯えてしまわないように導こうと思う。

もちろん、別居しても現在慰謝料も何ももらえるあてもない。当面の婚姻費の一部(家賃)をもらう程度だ。私はいちから自分の持ち物を揃えなければならない。長年のセックスレスや、不在について、一切の詫びは彼にはない。

理解も歩み寄りも拒まれてきた8年間の最後は、まるでギャンブラーの気分だ。全部すっからかんになった挙句、相手を心配している。

それでも強い方は最後まで抱え、与え、守るのである。それは形が変わっても、子供を授かった以上、何も変わらない。

本当の愛情って何だろうと思う。結果が出なくても愛せることだと自分では思っている。そして、相手が必要なものを与えてあげられることだろうと思う。
できる範囲のことをして、「はい、愛情!」という脆弱な愛情を提供する夫、自分の範囲内で愛する夫から習ったことは、

「弱いその場しのぎの優しさは、積み重ねても本当の愛にはならない」ということ。

弱い愛を否定しない。それも愛だけれど、崩れやすく、日持ちしない、保身のための愛にすぎない。


私は腹をくくって、夫を手放し、子供を社会まで送り届け、仕事に邁進しようと思う。

寂しくないと言ったら嘘になる。

けれど、もう、8年間の目を合わせてもらえない、心を開いてもらえない、体も触れ合わない、ただの母親のためだけの存在はまっぴらだ。

恋愛をするかはわからないけれど、ゆっくりとこれからは自分を大事にして素直に生きる方法を思い出そうと思う。







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